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 臼杵の石仏 蓮の花(大賀蓮) (大分県臼杵市)    site up 2003/08/21
臼杵の石仏 蓮の花1
国宝「臼杵の石仏」。あまりに有名な磨崖仏である。そして仏様を連想する花といえば、蓮の花ではないだろうか。正確には、後に仏陀となり人々の心を救うこととなるお釈迦様と関係がある。
お釈迦様は、摩耶夫人(マーヤー)と、夫であるネパール・カピラ城(カピラバスト)の釈迦族の国王、スッドーダナ王(浄飯王)の長男として生まれた「シッダールタ太子」であり、実在の人物である。一般にお釈迦様と呼ばれているものの、釈迦とは種族の名称であって、姓をゴータマ、名をシッダールタという。
お釈迦様は、夫人の右脇下を破り出て誕生され(おいおいと思うが)、危うく地面へ落下するシッダールタ太子をしっかり受け止めるべく、地上に忽然として花が咲いて受け止めたとされるのが、七茎の蓮の花だったという。これがお釈迦様に蓮の花を連想する由縁だろう。蓮の花に立つお釈迦様の姿を想像するところ。
蓮の花言葉は、「救ってください」らしい。なるほど、やっぱり、だろうね、と思われた方が多いと思う。お釈迦様に通じるものを連想するのだろう。
そして、ここは臼杵の石仏が見下ろすところに広がる蓮園である。これほど蓮の花が似合う土地柄もそうそうないだろうと思うし、こうも美しいものとは思っていなかった。
臼杵の石仏を見学するコースからも花が咲いている姿が確認できるので、特に看板や案内は見かけなかったがすぐに分かる。以前は稲作用の田んぼと思うのだが、今では立派な蓮園となっている。ここの蓮は、7月下旬から8月中が見頃となるだろう。夏の盆前後に訪れられるのは良い機会かもしれない。朝方が元気に咲いているので、なるべく早めに観賞されることをお勧めする。
奥に写るのは、古園石仏群のある建物。この花の輝き、お釈迦様が光臨されそうである。
臼杵の石仏 蓮の花2
臼杵の石仏 蓮の花3 臼杵の石仏 蓮の花4 臼杵の石仏 蓮の花5
そうです。罰が下ります(笑) 撥水加工(?)された大きな葉 つぼみから綺麗ですね
臼杵の石仏 蓮の花6 蓮は湿地帯やまはた水の中に育つ植物であり、ここの蓮たちも湿地状の中で元気に花を咲かせていた。湿地となっているために足を踏み入れることはできないが、そこは観賞できるよう花菖蒲園によくあるような木製通路が用意されているのは嬉しい。
蓮はハス科の多年草(宿根草)で、耐寒性があり、大きな葉や花を持つ。蓮は「蜂巣(はちす)」の略で、果実(種)のある花床【かしょう】(写真の黄色い部分:花柄の上端にあって、花弁・めしべなどをつける部分)には、たくさんの穴があいていて蜂の巣に似ていることからこの名が付いたようだ。この花床が実り大きくなると黄色から緑、そして茶系の色に変化していきそして大きくなるその姿は、少々気持ち悪く感じてしまい個人的にはやや難点かなぁと思う。蓮の葉には良く水滴があるが、見事に弾かれてコロコロとよく動く。まさしくハッスイ加工かと思う次第だ(編集注:ううん苦しい)
ここに育つ蓮の花は3種類。「大賀蓮【オオガハス】」、「酔妃蓮【スイヒレン】」、「八重茶碗蓮【ヤエチャワンハス】」とある。色は花びらの大きい種類にピンクの大賀蓮と白の酔妃蓮、色はピンクで花弁が小さく数が多い八重茶碗蓮。
そして、大賀蓮が単なる蓮でないことを知ってしまった。このピンク色の花の大きい蓮は、なんと茨城県の古河市より2001年に譲られたもので、1951年大賀一郎博士が、千葉県検見川遺跡の縄文時代(弥生時代との説も)の泥炭層から発見された3粒の種から発芽を試みた種類。普通は化石でしかないと思うところだが(実際当時の学者の考えもそう)、蓮は非常に頑丈な殻を持っていて、乾燥や湿潤にも耐えしのぎ発芽に最適な環境が整うまで何百年でも耐えるといい、3粒のうち1粒が見事に2000年の長き眠りから目を覚ましたという感動の蓮。このことは最古の生命復活としてかなり話題になった。その後各地にも広がっているというが貴重な蓮である。
ちなみに蓮の種は黒く実るのだが、これは生で食べられ栗のような味がするという。お腹を壊さないという保証は出来かねるが、興味がある人はお試しあれである。(蓮園の種を食べると怒られるだろう、だって大賀蓮だよ・笑)
臼杵の石仏 蓮の花7
臼杵の石仏 蓮の花8 写真は淡くピンクがのる酔妃蓮。お妃が酔っているように見える可憐さだ。
余談だが食用蓮も白色のこのような綺麗な花をつけるが、いわゆるレンコンの花ということに。レンコンって「えっ!こんな花をつける植物だったの?」と驚く方もおられるだろう。レンコンとは蓮根と書いてまさしく蓮の根であるからして、このように美しい花をつける植物であることはおかしくない。
食べられているレンコンとは、蓮の花が散りその後大きくなった根(正確には地下茎)の部分のことである。レンコンの葉、茎、花には根まで通じる穴が数本あり、地下茎であるレンコンの穴は、葉から取り入れた空気を根に送っているもの。根も酸素を必要としているのだろうか、「あの穴には訳がある」のだ。
学校の夏休みシーズン、臼杵の石仏には大変美しい高貴な花が添えられていた。
 関連リンク 臼杵市ホームページ 臼杵市観光情報協会
   

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