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 知林ヶ島  (鹿児島県指宿市)    site up 2008/09/24
知林ヶ島1
雨霧の中、森の向こうに不思議な感じで浮かび見える知林ヶ島【ちりんがしま】
晴れた日なら指宿市街、錦江湾、大隅半島の美しい景色を一望できる魚見岳【うおみだけ】展望台からの眺めである。

その昔、島のクロマツ林が潮風で揺れ擦れるとチリン、チリンと音が鳴るので「チリンガシマ」と呼ばれるようになったという。
薩摩半島の最南端で錦江湾の入口に位置する指宿市・田良岬の沖合に浮かぶ周囲約3Km、高さ90mほどの美しい無人島である。

しかし、この島はただ美しいだけではない。世界的にも大変希少な特徴を有しているのだ。


それは・・・





歩いて渡ることができる島、なのである。 その写真がこれだ↓↓↓。  (少し大袈裟ですが)






知林ヶ島2 知林ヶ島3 知林ヶ島4
!!! 海が! 道が!

海から出現した道は近くで見るとこのような感じだ。普通に歩ける砂の道である。※実際には湿った砂で結構歩きにくい。

知林ヶ島と田良岬の間には、限られた条件化においてこのような砂州が現れわずかな時間だけ陸続きとなるのである。
世界的にも珍しく「陸繋砂州【りくけいさす】」と呼ばれる。

砂州が現れ渡れる条件は3月〜10月にかけての大潮〜中潮の干潮時に限られる。但し、台風などの荒天によって砂州が洗い流され出現しなくなることもあるらしいが、しばらくするともとどおりに砂が戻り砂州が出現するようになる、そうだ。
知林ヶ島5
知林ヶ島6
この砂州が形成される要因は、冒頭に記した錦江湾の入口に位置する地理的なものが大きく、東シナ海から浸入する海流と湾内から流出しようとする海流がぶつかり合い、その境目となる部分で砂れきが堆積するものと考えられている。

砂州の長さは約800mで渡島には片道で20分程度必要、ゆっくり散策しながらでの往復であれば1時間強は必要と思われる。
渡島し、もし戻れなくなると約半日後の干潮時を待つこととなり、砂州の両側は深く海流も速いため遊泳禁止となっているので注意されたい。また、島へ辿り着いても散策道などは整備されていないのでそのまま引き返すのみとなる。

砂州の出現時間については指宿市の知林ヶ島ホームページを参照されるとよい。
※マイカーでの来訪は休暇村指宿別館の駐車場から徒歩。田良岬まではおよそ700m。
砂州と知林ヶ島一帯は自然海岸が残され、潮の香りが心地よい風光明媚な場所として環境省のかおり風景百選に選定されている。
また、魚見岳の断崖を囲むようにしてある田良岬一帯の平地は国立公園としてキャンプ場や公共の宿泊施設、運動公園などが整備されている。

今回の取材ではあいにくの空模様だったが、それでも砂州が出現する頃には多くの人が訪れていた。

2008年のNHK大河ドラマ「篤姫」のロケ地ともなっており主演の宮崎あおいさんもこの地を訪れている。
そもそも指宿市北部の今和泉地区には篤姫も幼少の頃過ごしたであろう今和泉島津家別邸跡や実父・忠剛も眠っている今和泉島津家墓地など篤姫ゆかりの旧跡が残っているので、近頃この地を訪れた方も多いことであろう。
知林ヶ島7
知林ヶ島8 チリン、チリンという音を奏でたという知林ヶ島のクロマツ、現在はマツクイムシによる被害でわずかに残るのみとなっているようだ。
今後は指宿市を主に環境省や鹿児島県によって自然環境に配慮した公園事業の推進がなされるという。知林ヶ島は人間の手によって開発された今の自然界においては、言わば前記した"わずかに残るクロマツ"のような存在と言えよう。

島と陸とを結ぶ砂州が人と人との懸け橋に例えられ、知林ヶ島は「縁結びの島」と言われることもあるそうだ。
ある季節のわずかな時間だけ現れる砂州によって渡島できるといった希少な神秘性を秘めた島だからこそ、より人間の手を加えない、より自然のままに姿を残す、必ずしも人間本位ではない、そんな開発の在り方によって末長い「自然と人との良い縁結び」が叶うことを願いたい。
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魚見岳から見下ろす指宿市街 休暇村に咲いていたハイビスカス 魚見岳と休暇村の芝生広場
 交通アクセス(公共交通) JR指宿枕崎線「指宿駅」下車、鹿児島交通路線バス「休暇村」下車。JR指宿駅からはおよそ4Km
 関連リンク 知林ヶ島ホームページ 指宿市ホームページ
指宿市観光協会ホームページ  

   
地図はこちらから⇒  Mapfan地図へ がおおよその位置になります。
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