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臼杵の石仏(臼杵磨崖仏【まがいぶつ】)といえば、大きな像から頭が落ち、像の前に頭部が置かれている光景がよみがえる。その光景が、言わば臼杵の石仏という印象を強く与えていたのではないだろうか。穏やかな表情の頭部が、仏体の全面台座に離れて置かれる姿が異様でないことはなく、初めて見ると確かに驚くだろう。お子様が薄ら明かりの中に突然対面すれば、失礼ながらトラウマになるほどの衝撃がないともいえない。そんな光景であった。 ところがである。そんなことを心配してか、または巷で発生するとんでもない事件に悪影響を与えてはいけないとの判断か分からないが、頭部の姿が印象的で親しまれていた、ここ臼杵石仏群を代表する大日如来像が、平成6年に保存修復を受け本来の姿に戻られた。これに合わせて、雨の浸食から守るための建物も建て直しされている。 |
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