数ある湧水スポットのなかでも、とりわけ湧水が豊富とされるのが島原中心部の新町界隈。数件の民家の庭から湧き出す清水は1日1万トンという。古くからの街並みが残る新町一帯の水路には錦鯉が放たれ、「鯉の泳ぐまち」として島原の代表的な観光スポットとして広く知られている。
さて、この湧水群ができた歴史にふれてみよう。
かつて「島原大変肥後迷惑」(寛政4年[1792])という死者1万5千人にも及んだ有史以来日本最大の火山災害があった。
島原湧水群はこの災害の際の雲仙岳噴火に伴う群発地震による地殻変動によって誘発されたものといわれており、良好な水質を保つ湧水群の水量は約60ヶ所で22万トン/日の流量といわれている。また、市街地の地下は良好な帯水層となっているのと背後にそびえる眉山【まゆやま】の圧力によって自噴しやすい状態になっているのだという。
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