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K-00082-N0005
 オオムラザクラ(大村桜)   (長崎県大村市)    site up 2003/06/05

大村公園は、玖島城【くしまじょう】跡周辺を整備された公園である。

ソメイヨシノ 約1500本
オオムラザクラ 約300本
(うち国指定天然記念物2本)
玖島桜【クシマザクラ】 約200本
県指定天然記念物

このように多くの桜を擁する大村公園は全国さくら百選の地の選定をうけており、桜のシーズンは多くの市民、観光客が集まる名スポットである。
その他つつじに花菖蒲20万〜30万本と見所も多い公園である。

訪れたのはソメイヨシノの花が散りはじめた4月中旬、葉桜と呼ぶ姿になったころ。
八重桜の一種(里桜【サトザクラ】の種類)であるオオムラザクラが満開を迎えつつあった。八重桜の種類は、その花びらが多いことからこう呼ばれるものと推測するが、確かにボリュームある花である。オオムラザクラはその中でも抜き出て花びらが多いらしく、なんでもひとつの花に60枚〜200枚もの花びらがあるというから驚きだ。
ソメイヨシノの花を薄地の淡いピンクのドレスに例えるなら、八重桜は薄紅色の重厚な和服着物といったところ。この差が開花時期と開花状況に影響を及ぼしている。
極端にいえば、ドレスはすっぽりと着るのに時間がかからないが、着物はタオルをバストの下に入れることから始まり帯びを締め終えるまでには、それは相当な時間を要する。それと同じくソメイヨシノは葉がでる前には用意を済ませて花開くスピーディさに比べ、八重桜の種類は準備に時間を要してしまい、葉の出てくる同時期に花を咲かせるのがやっとということになる。だから一見「葉桜?」「鑑賞時期は過ぎたか?」と思わせるがそうではない。その点では木が花一色に染まるソメイヨシノが観賞としては優れているといえるだろうが、花一つ一つの存在感では比較にならないほど八重桜が大きいと言えるのではないだろうか。
ただでさえボリューム感豊かな八重桜にあって、オオムラザクラは特別な桜である。オオムラザクラは、昭和16年、外山三郎氏(のちの長崎大学名誉教授)にて学会に発表された珍しい八重桜の一種であり、花は八重桜を2段重ねたように見える大変ボリュームある花で、先述のように多いものでは花びらが200枚にも達するというもの。
確かに玖島桜も八重桜の一種で花びらが多いのだが、オオムラザクラはさらに花びらが多く、欲張りにも内側にもうひとつの花を抱いているようである。確かに珍しい花だ。衣服に例えるなら十二単【じゅうにひとえ】といったところか。高貴だね。

右の写真は玖島桜、ボリューム感ではオオムラザクラに一歩譲るかな。
天守閣はないものの、城壁がありお城の雰囲気十分。城内には、大村神社と玖島稲荷がある。大村神社の社殿に向かって左右にある1本づつ計2本のオオムラザクラが、国の天然記念物の指定を受けている。大木になるような丈夫な木ではないらしい。これまでにもシロアリにやられたり、またその後植え替えした木は風に折られたりと管理には大変な苦労が重ねられているようだ。本来桜は強い木ではない。
国の天然記念物となる桜、いや桜に限らず木々全般はやはり長寿であることが理由になる場合が多いと思うが、オオムラザクラに関しては貴重な種類であるからといえる。どおりで、オオムラザクラに面会したときに、大木をイメージしていたものだから拍子抜けした記憶がある。違うのだ、血統が貴重な存在なのである。単なる十二単ではない、例えるなら人間国宝の職人が丁寧に織り込んだ一流の十二単なのである。
大村公園以外にもオオムラザクラが存在する場所があると聞いたが、そこではあまり有名にはなっていないようだ。(佐世保と平戸にあるらしい)
だから貴重な薄紅の十二単に会うには、ここに来るのが一番だ。

数々のピンクドレス美人に着物美人と咲き乱れる中にあって、薄紅の十二単をまとった美人がおもむろに頭をもたげ優美に佇んでいた。十二単が発する高貴な雰囲気と香りの中に包み込まれると、人は鼻の中に有る鋤鼻(じょび)器官でそれを感じ取り神経経路のシナプスを刺激する。大勢の人がムラムラと興奮を覚える高貴な世界がそこにあった。このことから、いつしか人々は次第にこの十二単を「オオムラ桜」と呼び親しむようになった(編集注:おぉい勝手に由来をつくるなよ。)…そして今、今年も薄紅の十二単ははずかしそうにややうつむいて人々を迎えている。
 関連リンク 大村市ホームページ 大村市観光コンベンション協会
   

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