本来主砲も解体されなければならないところだろうが、戦艦「土佐」はまだしも主砲だけは、となんとか隠して保管し再び活躍の場が与えられたといったところ。ここ黒崎砲台は昭和8年に完成。 主砲について詳細は後述するが、放たれる砲弾は射程距離35kmと信じられない飛距離。現代のハイテクミサイルのように目標を自動補足・追尾するものではないので、35kmともなれば着弾点の誤差はそれなりに大きいものと思われるが、命中精度はともかく、近くを通る船には脅威であることに違いはない。ただし実際には使用されることなく、昭和25年には本当に解体されてしまったそうだ。主砲として生まれたが実戦で活躍できず、誤解を恐れず言えば不運な砲門である(もちろん火を吹かないことは良いことである)。また話を戻せば、やはり戦艦「土佐」も不運である。後に、「土佐」で培われた建造技術が巨大戦艦「大和」に受け継がれるのだが...その船もご存知のように不運と言えるかな。
長門型が全長約210メートルで排水量32,720t、加賀型であった「土佐」は全長約260メートルで39,990tにて計画されていた。ちなみにタイタニックが46,328t(総トン数)でこれはさすがに大きいが、現在日本が誇る豪華客船「飛鳥」は28,856t(総トン数)であるから、土佐の大きさはかなりのものとご想像頂けると思う。
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