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 関の尾の滝 (関の尾の甌穴群)(宮崎県都城市)    site up 2003/06/27
関の尾の滝は、日本の滝100選にも選出される名瀑布であるが、私はその名前さえも知らなかった。
幅40m、落差18mの大滝と、男滝、女滝の3滝からその景観をなす。滝の雰囲気は原尻の滝のように、普通の川が突然落ち込むタイプで迫力があるが、緑の中に溶け込みまた違った印象を与える。
スタッフ「ごう」が絶賛に値するというだけのことはある、というのが私の第一印象である。

さらにこの滝には甌穴【おうけつ】群と呼ばれる国指定天然記念物が、観光地としての価値を側面いや全面的に押し上げている。
この日はあいにくの小雨日よりであったが、滝を訪れたときはなんとか雨は落ちるのを待ってくれた。

関の尾の滝から少し下流につり橋がかかる(原尻の滝にもある)。橋からは大滝、男滝、女滝(ちょっと見え難い)を方向がそれぞれ違うが見ることができる。
男滝と女滝については、明治時代に作られた北前用水路に関連しているので、人工的なのであるが現代の工事とは違い自然に溶け込んでいる。
大滝は甌穴群がある岩盤地にあり、その岩盤の落ち込みとともに滝となる。岩盤の造形により水も美しく姿を変えて滝壷へと吸い込まれている。
一級河川庄内川にかかるつり橋は全長約65m、有効幅1.2m、形式は「単径間無補剛吊橋」と書いてあるが読み方も意味もよく分からない。吊橋ではあるが安定感を感じさせる橋である。
岩の割れ目から落ちる感じ 男滝 女滝
さて、甌穴群とはそもそも何か。国指定天然記念物であるが岩の窪みの集まりである。
「えっ!? このくぼみが?」
という感ではあるが、しかし世界的に見てもすごく貴重であるらしい。正確には規模が珍しいのだ。甌穴は、11万年前に形成された火砕岩の一種である溶結凝灰岩【ぎょうけつぎょうかいがん】が河床【かしょう】に横たわり、岩の割れ目が砂や小石を含んだ水の浸食作用により長い年月をかけて形成されたものだ。大きいものでは直径3mにも達する穴が存在するという。この一帯には数千個の甌穴があるとされ、その規模は世界にも類がないとされる。ただ、水の浸食作用のもとに作られているので、基本的に大半は川水の下にあり、その全貌を目視するのは難しいが、水面近くの岩々にも丸く窪んだ個所がいくつも見ることができる。

付近一帯には、キャンプ場や多目的広場そして遊歩道など整備されている。滝のみでなくここ一帯からくる魅力はなんともいえない。キャンプ場は滝上流すぐの河畔に広がる。川は甌穴のある岩盤地帯が上流まで続いている様が分かる。甌穴があるため、部分部分には深い個所があるだろうから、川に入ってチャプチャプ遊ぶのは危険と思われるが、遊歩道などからは水に触れ合える水面との近さだ。
多くは語るまい、うまくお伝えしているか心配であるが写真からこの雰囲気の良さを感じて頂ければ幸いである。

関の尾の滝、甌穴群ときてさらに用水路が脇を固める。用水路?と口を尖らせてブーイングはちょっと待ったである。用水路は3つある。いずれも歴史あるものだ。
当時水が足りない地区へ水を引き込み、新たに水田を開くために行われた工事で、今でもその役目を十分に担っている偉大な業績なのだ。
まずは、1685年島津領主の命令により大滝上流から西側へ岩盤をくり貫いて作ることになった家老川上義久監督の「南前用水路」。当時岩盤をくり貫くのは大変な難工事である。なにしろノミやツルハシのような道具しかない時代である。簡単に「それでよかろう」と家老は言えず、かなり過労気味であったに違いない(編集注:寒いよ)
明治に入ると、優れた田んぼを開く技術と人々の信頼を集める徳を持つ坂元源兵衛がこの地に移り住む。
そして北前用水路の工事にとりかかる。この用水路は一風変わっている。まず、水量が多いときには男滝から不要な水量は吐き出す(余水吐き)工夫がなされ、さらに高低差がある部分では滝のように水を落とし下の用水路で受け止めている、これが女滝である。よって、厳密には男滝と女滝は自然造形ではないと考えるが、景観として十分に溶け込んでいる。
さらに滝上流350m付近から取水される前田用水路。これにも坂元源兵衛が携わり、前田正名に引き継がれ完成している。岩山を3年の月日を費やして掘りぬいたとされ、いかに困難な作業であったかが伺える。今なら巨大な掘削機械があるが、当時は爆薬も電動工具もない時代である。
全ては水に関係するとはいえ、関の尾の滝、甌穴群、3つの歴史ある用水路と見所豊富である。スタッフ「ごう」の太鼓判は本当だった。
流れる水はあるとき岩肌のちょっとした笑窪で宙返りをしてみせた。すると続く水も同じように宙返りで続く、仲良く砂と小石とともに。しばらくすると、見えないほどの笑窪だったものが、キャメロンディアスの笑窪のようにチャーミングに仕立て上げられた。評判に気を良くした水たちは、あっちにもこっちにも笑窪を作り上げ、いつしか世界最大規模の岩肌笑窪群いや甌穴群と名声を手に入れた。まさにチャーリーズエンジェルならぬジャーリー(砂利)ズエンジェル達の大活躍である(編集注:時期ネタだねぇ・笑)
さあ、ジャーリーズエンジェル達の活躍した甌穴群、関の尾の滝とともにご覧あれ。
下記写真クリックにて大きい写真が開きます(640×480pixel)
さすがは日本の滝100選 甌穴群が身を潜める 吊橋と関の尾の滝と甌穴群
   
地図はこちらから⇒  Mapfan地図へ がおおよその位置になります。
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