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さて、甌穴群とはそもそも何か。国指定天然記念物であるが岩の窪みの集まりである。 「えっ!? このくぼみが?」 という感ではあるが、しかし世界的に見てもすごく貴重であるらしい。正確には規模が珍しいのだ。甌穴は、11万年前に形成された火砕岩の一種である溶結凝灰岩【ぎょうけつぎょうかいがん】が河床【かしょう】に横たわり、岩の割れ目が砂や小石を含んだ水の浸食作用により長い年月をかけて形成されたものだ。大きいものでは直径3mにも達する穴が存在するという。この一帯には数千個の甌穴があるとされ、その規模は世界にも類がないとされる。ただ、水の浸食作用のもとに作られているので、基本的に大半は川水の下にあり、その全貌を目視するのは難しいが、水面近くの岩々にも丸く窪んだ個所がいくつも見ることができる。
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