矢部町で最も古いということもあるのか、石組みは通潤橋程の精密さは感じられないが、単一アーチでなかなか大きな橋である。天保3年(1832)に架橋され、橋の長さは35m、橋の幅5.0m、高さ12mと堂々たる姿。今でも大きな石橋とされる聖橋、完成当時は最大級の単一アーチ橋であったことだろう。橋上は緩やかな起伏があり欄干は見当たらない。ま、遊歩道としても利用されておらず、まずは保存優先といったところだ。
ずいぶん月日は流れる話だが、となりの鉄橋が出来た際に、あろうことかこの聖橋を取り壊そうとしたようだ。川岸に近い部分から石橋上部をえぐるような形に大きく取り除かれてしまったのだ。そんな姿ではあんまりだと住民活動も起きて、平成11年に大規模な改修が行われている。土砂災害で壊れるというのなら致し方ないとしても、こんな貴重な文化財を、わざわざ人の手で壊すのはどうも忍びないからね。保存されなによりである。
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