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 白川水源 (熊本県阿蘇郡南阿蘇村)    site up 2003/08/20
白川水源1
阿蘇を代表する湧水「白川水源」。毎分60トンもの水が湧き出ているこの湧水は、一級河川「白川」となって熊本を通り有明海へと注いでいる、その源だ。熊本のお米はおいしい、という評判があるがこういった水による影響も大きいと思う。ちなみに、白川は南阿蘇を流れ、北側の阿蘇盆地を流れる黒川と立野付近で合流して熊本市へと向かう。白ナイルと青ナイルのように合流点ではそれぞれ水の色が違う、となれば観光スポットになっていたかもしれないが、残念ながら黒い水と白い水(または透明)の川ではない。阿蘇周辺には数々の湧水が存在する。特に白川水源が存在する南阿蘇方面にはたくさんの湧水が存在しているように思う。阿蘇の恵みだ。白水村には、明神池名水公園、池の川、竹崎、寺坂、吉田城御献上汲場、塩井社、湧沢津と多くの水源がある。これより規模が小さい湧水はもっとあるのではないだろうか。
白川水源はこの規模であるから、昔より有名な湧水であったことは間違いないが、最近の健康ブーム以前に白川水源をブレイクさせた方がおられる。俳優、レポーター、司会などテレビでおなじみの渡辺文雄氏である。渡辺氏のように博識ある方が、マスメディアで「日本一おいしい水」と言えば、そりゃあみんな興味を持つよね、と思う。自薦、他薦かかわらず「日本一」と名乗る名水は日本各地に数箇所あるようだが、白川水源の水質は問題なくその中でも筆頭クラスだろう。もちろん、環境庁選定「日本の名水百選」にも選ばれている。湧水は14度に保たれ、その水は軟水で飲みごたえは軟らかくやはりおいしい。日本の地下水は軟水が多く、ヨーロッパでは硬水が多い。魚のエラには軟水がやさしいので、水槽で熱帯魚飼育を行っているヨーロッパの愛魚家は、日本などの軟水地域を羨ましがっているという(編集注:ほう、余談だけどね) 白川水源2
白川水源3 白川水源には、幼いころから数回訪れているのだが、今回訪れたところ、いよいよ水源目前といったところに張り出し文がある。要約すると「テレビ、雑誌、営業、取材」において、白川水源内で写真等での撮影を行うには届け出が必要、というのだ。前はこんなことなかったのに…と思っていると、管理小屋が設けてあり中から管理人の視線を感じる。身なりがいかにもカメラマン風である(カメラに三脚にカメラバック)私は、当然すんなりと水源内に入ることは許されなかった。
早速、白水村の企画観光課の方へ「あじこじ九州」で紹介させて頂きたい旨を、電話をつないでもらいお願いすることに。しかし、許可については実際に掲載する内容次第ということで、後日確認をしてもらうこととなった。かなり過敏とも思われる警戒だ。怪しいものではないという自負があるのでやや不満にも思ったが、どうも白川水源の名を語る悪意な商売が行われていたのだろう、詳しくは分からないが状況を推測した上で後日確認について承諾した。皆様へこの情報がお届けできる際は、掲載許可が下りたのだなと思って頂きたい。
さていよいよ、水源の写真を撮れることになった(仮許可状態ではあるが)
白川水源4 白川水源5 白川水源6
水源奥からのショットは水汲み場から入り口方向。管理小屋も写っている。
入園料が18歳以上の方は保全協力金として100円が必要であるが、水源の水は飲み放題、汲み放題である。ただし、駐車場まで大量の水を持って運ぶのは大変であるので、持ち帰る量はほどほどに。ポリ容器も途中の売店で販売されているので、もし飲んで気に入ったなら、ポリ容器の準備がなくてもその場で持ち帰ることもできる。またお土産用にボトリングされたものも販売されている。天然ミネラル水である白川水源の水には、微量ながら二酸化炭素(炭酸ガス)が含まれており、これが口当たりをまろやかにする効果があるという。これを加熱しては二酸化炭素がなくなるためこだわりの非加熱処理というわけだ。ちなみに清浄水であるため、ボトリング時の作業は砂などのろ過と紫外線照射による殺菌のみ、味わいそのままと言える。
白川水源7
白川水源8 こちらが水の盛んに湧き出でる様子である。「こんこんと湧き出る」という表現は、もう少し小規模な湧水に使うのだろうか、これほどの大きな湧水になるとイメージが合わないように思う(個人的な感想)。
しかし、砂が勢い良く吹き上げてはいるものの、毎分60トンという膨大な水が本当に沸いているのだろうか、と思えるほど静かである。火山の噴気坑では「ゴーッ」という音とともにガスが噴き出すが、湧水とは静かなものである。実際は猛烈な勢いで砂とともに湧き上がっているのだろうが・・・。
実際ここから流れ出る川には、それは勢い良く綺麗な水が流れ出しているので毎分60トン、さもあらんといった感じである。
ときおり水底からぷくぷくと沸きあがる水泡が雰囲気を醸し出している。見ているだけで涼しくなるような光景だ。風に揺れる風鈴の音、あの音も涼しげであるように同様な感覚を感じる。
白川水源9 白川水源10 白川水源11
白川吉見神社は阿蘇神社の末社として、古来より水源を守る神として祀られている。境内の中央から湧水から発する白川は、肥後平野(熊本平野)の広い範囲の灌漑用水として利用されていることから、墾田の関係でも白川吉見神社は崇拝されていたように聞く。
元禄14年6月(1683年〜1703年)、第5代肥後藩主・細川綱利公が山狩りの際に、この白川吉見神社を参拝され、
「当社は余が領地菱田の源神で、恩恵広大である。速やかに社殿を修造せよ。」
と郡代(郡をあずかる代官のこと)に命じ造営されたという。この湧水は不老長寿・諸病退散の御清水として、昔から語り継がれ尊ばれているという。
祭神は「国龍大明神【くにたつだいみょうじん】、罔象女命【みずはめのみこと】」の2神となっている。
白川水源12
白川水源13 白川水源14 白川水源15
白川水源16 白川吉見神社の境内を覆う森(イチョウ、スギ)は、ふるさと熊本の樹木として登録されている。
白川水源のある白川吉見神社境内、イトトンボが舞い、カニも顔を覗かせる。そして水源を覆う樹木とともに、ここはマイナスイオンが豊富なリラックスステーションだ。夏場訪れたらその味はひときわおいしいだろう。という私も、阿蘇方面を訪れた際には良く立ち寄っている。

白川水源は旧国道325号線沿いにあり、遠くから標識があなたを誘導する一級観光スポットである。お土産店や道路沿いには物産館もあり、まずもって迷われることはないと想像する。熊本の湧水群にあって、その規模、雰囲気、水質、どれをとっても押しも押されぬ白川水源、まだ行かれたことがない方、要チェックスポットですぞよ。
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白川水源17 白川水源18 白川水源19
まさしく名水 幼い日の思い出 白川水系の源
 関連リンク 南阿蘇村ホームページ  
   

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