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K-00052-H0018
 一心行【いっしんぎょう】の大桜(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)    site up 2003/04/08
阿蘇に名木があるという。
その名は一心行の大桜
「そんなに有名なら地域再発見に向かうまでもない...」
とつぶやくと、もう一人の自分が反論。
「有名どころを紹介してなくて地域再発見もないだろう?」
「でもねものすっごく観光客が多いらしいよ、渋滞だよ」
「なら早起きしなよ」と冷たく言って暗闇に消えた。
...参りましょう、阿蘇白水村へ!

という自問自答があったかどうかは想像におまかせだが、事実一心行の大桜は有名だ。まだ見たことない私は撮影アングルをシミュレーションしつつカメラをもてあそんで寝たのだが、すでに朝の03:00を迎えつつあった。なんだか不安...
日曜日の当日、予定では現地に08:00には到着の予定だった。1時間30分程要すると考えていたから、余裕を見て06:00に出発しようと携帯電話のアラームや目覚まし時計と複数セットして安眠の床についた。
しかし、私はともかく私に取材に行けよといっていたもう一人の私もどうやら爆睡してたようで、気が付いたのは07:00。
まずい。渋滞コースまっしぐらだ! ま、06:00頃に出発したから大丈夫という保証もないわけだが...いずれにしても出遅れた感は否めない。

出発地がどこかは敢えて書かないが、途中より国道57号線に合流して立野を越えることになる。渋滞しなければ良いが...
国道沿いの看板には「早期に4車線化の実現」なる看板が立てられている。そう慢性渋滞路線「国道57号線大津−立野間」である。それでも08:00前後に通過したこともあって、ノロノロながらも南阿蘇方面へと進むことができた(それなりに横道裏道使いまして...)
しかし渋滞はちゃんと待っていてくれた。感激のあまり涙である。
南阿蘇を走る国道325号線を走ること僅か数分のところで、渋滞になってしまった。ここから白水村はまだまだあるなぁ...
さらに横道裏道に逃れようとしても、私は一心行の桜がどこにあるか分からない。ろくに調べずにやってきたのだ。(編集注:準備不足、簡単に言えば○鹿)
現地に行けば看板があるさ、という安易な考えだったのだが、裏を返せば裏道を探索することが不可能ということ。看板に従えば皆同じ、渋滞の列を進むしかない...

機嫌が良くないところに、「一心行の桜  km」という看板。あと何キロか分からない。さらには書いてある看板もご丁寧にガムテープを貼って消してある。まだまだ長いという心理的圧迫を与えない作戦か、でもねあまり感じが良いとは思えなかったよ。(編集注:本当はなんででしょうね、計ってないだけかも?)

はぁー、もう10:00を過ぎてしまった。歩く人にも追いつけないスピード、「ははは」笑うしかない。
やがて警備員の姿が見えた。どうやら入り口がついに見えてきた。付近の田畑を駐車場にしてあり、どんどんと車が滑り込んでいく。駐車場代(環境整備料とのこと)500円を払いやっと一心行の大桜に到着。

長かった、環境を考えエコロジーを目指す私は普段の足である高燃費高出力AT車(編集注:エコロジー?)ではなく、低燃費低出力MT車(軽型)でやってきたのでこの渋滞は疲れも甚大だった。
私はつぶやいた...
「一心行の大桜さん、あなたはそんなにすごいのか?」

うん、すごかった。(あっさり認めよう)

その一言だけである。感嘆である。素直な感想である。ここまでの写真全てそうだが、この桜はやはり大桜と呼ばれるだけあって巨木。見事な枝ぶり、こんもりと綺麗な姿をしている。
主な駐車場が桜より高い位置にあるので、まずは見下ろす格好となるが桜の下側から見るとその美しさは絶品。

これまで桜とは関係のない渋滞話を進めてきたが、渋滞にはまっても見に来る価値は十分あると感じたため。ちなみに、花の色は白い。淡いピンクというより白い花という感じだ。それがまた大変綺麗な佇まい。

付近には黄色い菜の花がたくさん植えてあり、白と黄色のコントラストが大変美しい。
また大桜の木は1本しかない(小さい木はある)。しかし1本の見ごたえ感に満足させられる。花の咲き方や枝ぶりは見事。

実は最近までこの桜がなんという種類か不明だった。それでは困ると白水村がDNA鑑定を依頼し、今年「ヤマザクラの一種」と確認された。樹齢約400年、桜としてはかなり長寿だろう。

桜の木もすごいが、ご覧のように人もすごい。歩くとどこからか必ずレンズが向けられている、そんな感じになるほどレンズ視線を意識してしまう。皆さんより前に出て写真を撮るにはレンズ視線が痛い...でも撮ったけど。

一心行の大桜の名称由来について。

天正8年(1580年)島津氏との戦いにおいて、宇土郡三角町にある矢崎城にて戦死した、峯伯耆守惟冬【みねほうきのかみこれふゆ】の菩提樹がこの大桜。妻と嫡男と少数の家臣でこの故郷へ戻り、一族の霊を弔うために一心に行をおさめたということから「一心行」の名がついたとされている。

一度雷が大桜に落ちたことがあるそうで、誰もがもうだめかと思ったときにもこのように見事に復活したのは、御霊の力が作用したのかもしれない。
私は霊魂を見ることはないけど、存在は信じてるのね。

すぐ近くでは白水村の方々だろう、食材など販売が行われていた。村を上げてのイベントとなっている。

しかし、桜一本でこの集客力、某大手スーパーもびっくりだろう。
「客を呼ぶなら桜を咲かせろ」
そんな言葉が生まれるかもしれない。(編集注:生まれません)

臨時売店では、地鶏を炭火で焼くおいしそうな香りが人々を魅惑する。かなりの行列ができているのは嗅覚が食欲に与える要因が大きいことを物語っている。
しかし私にはその行列に並ぶ時間はない、と一通りお店を回り「有名な地鶏丼」なるものを購入した。
これが地鶏丼(500円)

やわらかい地鶏もたまに見受けられるが、この地鶏はたぶん皆さんの期待を裏切らない適度な硬さと噛むほどに味わいを感じる、地鶏である。味付けも良くペロリと食べてしまった。大食漢である私は、運転疲れもあり空腹感を満たすに至らず、追加でこの後カレーもたいらげ帰路についた。

正直言って、一心行の大桜がどうなのよ、と軽く思っていたが、見てみてびっくり感動であった。カメラの腕は素人レベルながら、もう少し人が少ない状態のときに構図も考えて写してみたいなぁとその気になった次第。たぶん写真好きな方は誰もが感じることかな。
夜間はライトアップされてより幻想的美しさに。見頃は3月下旬〜4月上旬、気候により変動(今年はやや遅かったようです)。
下記写真クリックにて大きい写真が開きます(640×480pixel)
一心行の大桜 枝ぶりも良し 2002年のライトアップ風景
 関連リンク 南阿蘇村ホームページ 白水村商工会ホームページ
   

地図はこちらから⇒  がおおよその位置になります。
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