|
|
この大江天主堂とガルニエ神父は、日本文学史上にもゆかりが深い。
ガルニエ神父が大江天主堂に着任して16年目の夏、"五人づれ"の青年たちが神父を訪れた。明治40年(1907)にキリシタン遺跡探訪の旅に東京から夜行列車に乗り込んだ五人の青年たちがここを訪れ、その旅行記「五足の靴」が匿名"五人づれ"で東京の新聞に掲載されたのだ。
その五人の若者こそが後の日本の文豪・与謝野鉄幹をはじめとする北原白秋、木下杢太郎、吉井勇、平野万里たちであった。ここを訪れ、異国の地で布教を熱心に続けるガルニエ神父との語らいは、若者たちに大きな影響を与えたという。
なかで日本を代表する詩人・北原白秋は、この経験が大きく影響されたであろう処女作「邪宗門【じゃしゅうもん】」を明治43年に発表している。
|