主要道からひとつ入った溝ノ口岩穴へと向かう道路は、いわゆる片田舎の生活道路(失礼な表現であればお許しを)で、「離合にはご注意くださいまし」といった感はあるのだが、交通量も少ないので別段問題ではない。水の綺麗な「溝ノ口川」沿いを標識に従い走っていると、次なる標識が山手へと導いている。そして少し登るとこじんまりとした駐車場となっていた。 駐車場からさらに整備された歩道が延びているが、すぐに赤い鳥居の姿が見える。そしてその向こうに不気味なほど静かに口を開けているのが、どうやら溝ノ口岩穴(洞穴)のようだ。心霊現象を信じている私は、すでにこの時から背中が涼しいといった感覚が襲う(編集注:臆病なだけじゃ?) しかもどうやら照明設備は一切ないようだ。照明はセルフサービスなのでご注意を、である。「ふん、なかなかいい雰囲気を醸し出してくれるじゃない」、私は岩穴へ賛辞を贈った。
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