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 犬飼滝(犬飼の滝) (鹿児島県霧島市牧園町)    site up2004/07/17
犬飼滝1
国道223号線、牧園町の妙見温泉付近から県道470号線に入り2kmほど進むと、途中から綺麗に整備されている道路右手に犬飼滝【いぬかいのたき】が視界に飛び込んでくる。
夕暮れ近くで時間が押し迫っている中で急遽訪れた。道路からみる犬飼滝は、緑深い中に白い姿を見せ、なかなかの大滝の姿を披露している。でも地名は犬飼でもなさそうだし名前の由来はちょっと不明。まさか犬飼毅が訪れたとか...
そう思いつつ車を進めると、滝を見下ろす位置に展望公園があった。木製デッキが設置され、木々の向こう瀑布【ばくふ】を見るといった感じである。
案内板には高さは36m、幅は21.8mとされている。
説明に「かつて和気清麻呂がここで遊び、明治維新の立役者「坂本龍馬」も眺めたという由緒のある滝です」とある。来訪者は犬飼毅ではなかったか(笑)
犬飼滝2 犬飼滝3 犬飼滝4
道路脇にある展望公園 いつもより水量は多めみたい 日本最初の新婚旅行ゆかりの地!?
和気清麻呂??、ということでちょっと調べてみた。和気清麻呂【わけのきよまろ】は733年〜799年に活躍した奈良・平安初期の律令官人だそうだ。律令官人は簡単に言ってしまえば、当時の律令国家に使える役人である。
名前からして有名な歌人?と思ったらそうではないらしく、どうも実務家である。備前国藤野郡(現和気町)に生まれ、恵美押勝の乱(恵美押勝(藤原仲麻呂)による軍事クーデター未遂事件)に功をたてて、称徳天皇の信任を得ている。また、天皇の座を狙う道鏡の陰謀に対し、宇佐八幡宮の神託を再度取り直すなどしてそれを阻止したために、道鏡の怒りを買って大隅国(現鹿児島県)に流されたという。 ということは、“和気清麻呂がここで遊び”とは、実は、流刑の地で滝を観て都を想っていたのではないか?という感がある。とても遊ぶという心境ではなさそうだ。
ただし翌年上皇が崩御されると、この道鏡事件があったからか道鏡は失脚。和気清麻呂は都に戻ることが許された。都に復帰してからは、長岡京造営に力を発揮し、さらに平安京への遷都を提案し、造宮大夫として尽力したとされる。また、和気清麻呂は民部省の長官として「民部省例」20巻を整備したり、中宮高野新笠の氏の系譜「和氏譜」を作成している。
犬飼滝5
犬飼滝6 それに和気清麻呂は、故郷備前の国でも郡民の負担軽減や飢饉救済のために力を尽くした人物として郷土の誇りなんだとか。
なるほど...である。“和気清麻呂がここで遊び”がこんな歴史背景に発展するなんてと少し驚くが、案内板でも和気清麻呂がどういった人物かを軽く紹介してあるとより感慨深いと思うのだがいかがだろう。
“坂本龍馬も眺めた”については特に説明は不要なぐらい近代日本史においては超ビックネームである。案内板にはさらに「坂本龍馬とお龍の日本最初の新婚旅行ゆかりの地」と大きく書いてある。ハネムーンの先駆け、さすがばい坂本どんは、なんでん先が見えちょる!(編集注:ってどこ弁?)
さて、カメラを覗いていると、滝のそばに人の姿。さらに滝裏まで行けるような造形。ううん、行ってみたいけど今回は時間がない...行ってみたいですねぇ。

 関連リンク 霧島市ホームページ  
   

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