あじこじTOPへ
お買物厳選リンク あじこじTOPへ 県TOPへ
K-00134-K0009
 龍門滝 【りゅうもんたき】(鹿児島県姶良市加治木町)    site up2003/09/19
龍門滝1
とある日、隼人町から加治木町へと国道10号線を移動していると、「龍門滝」という標識が私に甘い誘惑を投げかけてくる。龍門滝【りゅうもんたき】と聞いて、そういえばと思い出した滝がある。大分県の九重町にも「竜門の滝(龍門の滝)」と呼ばれる滝がある。範囲を日本中に広げれば栃木県にもあるようだ。いずれも名称は中国華南省にある龍門を彷彿させるかららしい。
名前を付けたのは中国から仏教の伝来に訪れた人かもしれないが、「漢土(中国のこと)の龍門の瀑【たき】を見るがごとし」といったことが名称の由来だとか。中国の龍門を知らない私は「ふーん、なるほどね」と思いつつ、グローバル社会に取り残されている気がして内心焦るところ(編集注:オーバーだね)
こんなに大きな標識が出るのなら、きっと見応えある滝だろうと急遽訪れることにした。
10号線から北へ向かって道を曲がる。滝がある地形を想像するに山に近いのか?と想像していると思いのほか近い。加治木ICからも近くて住宅街の奥にその滝は姿を見せた。滝の付近は公園化され、町営と思われる温泉施設その名も「龍門滝温泉」がある。一般(大人)入浴料は250円(8月24日現在)で、家族サービスなどで汗を流した後に、ちょっと汗を流して帰ろうかというときには丁度具合が良い。
その龍門滝温泉の施設を抜けると龍門滝が姿を現す。少し土手を登る龍門滝を見る展望台(というのかな)近くには、夏の風物詩である冷やしそうめんがおいしそうであった(流しでなくて回しそうめんね)。
さて、いよいよ滝である。ちょっと水量がいつもより少ない?と思うところだが、ちょっと変わった雰囲気を持つ滝であることは確かだ。落差は誇るが滝幅が狭い滝(いわゆる日本風の滝)と、落差はそれほどながら幅が広い滝(いわゆるナイアガラ風の滝)のちょうど中間的イメージである(いずれも相対的に見て)。
大分の竜門の滝(参考として下3つ並び写真の一番右に掲載)も、ちょっと幅があって同じように岩場を幅広く流れ落ちる滝である。これが共通点なのだろう。
龍門滝2
龍門滝3 龍門滝4 龍門滝5
白い流れとなって滑り落ちる 龍門滝温泉の外観 (参考)九重町の竜門の滝
龍門滝6 滝壷の周りまでは下りて行けるし、水遊びをする人々+ワン公の姿がほのぼのとしていい雰囲気である。

うれしいことがあった。これまた事前に調べて置けよとお叱りも頂きそうであるが、ここ龍門滝は日本の滝100選に選ばれる名瀑布【めいばくふ】である。高さ46m、幅43mを誇る。
案内板によれば橘南渓【たちばな なんけい】が西遊記の一節で絶賛、また儒学者の安井息軒【やすい そっけん】が来観したことのある県下でも稀に見る名滝の一つと紹介されている。
橘南渓は1700年代(江戸時代)の京都の医者であり文人で、各地を訪れて書いた紀行文「西遊記」と「東遊記」などが残されている。江戸時代のベストセラーなのだそうだ。孫悟空が出てくる西遊記とは違うのであしからず。
安井息軒は宮崎県日南市(飫肥藩)出身で親も儒教の先生であり、各地で勉強を重ね64歳のときに幕府直参(将軍家に直属した家禄一万石以下の武士のこと)になるなど活躍した人物のようだ。直参と聞いて「旗本退屈男(編集注:時代劇ですな)」を想像してしまった私っていったい?という感はあるが、教養が浅い私にも両名を知るきっかけになった。
龍門滝の上流約800mのところには、板井手の滝があってそれまでの一帯は「龍門滝の森」として憩いの場であるらしい。なんでも県の森林浴の森「渓流コース」の指定を受けているとのこと。渓流コースと銘打つところ、なかなか気になるところである。また別の機会にご紹介しようと思う。
龍門滝を一望できる展望台には、滝観音様が鎮座される。これは鹿児島を治めていた島津家六代領主久微【ひさなる】別名錦水が建立した観音像である。そう大きくはなく、鎮座される台の高さまで含めて、大人の身長ほどだろうか。加治木町指定文化財である。

滝はいいものである。絶え間なく流れる水は美しく白い絵を描く。繊細であり多様な広がりを持ちながら静かに落ちていく姿、水量が少ない時の方が、龍門滝はその印象を強めるような気がする。増水したときの迫力は、川幅から想像する水量と落差からして少々怖いものがあるが、普段の滝から感じるものは「静」のイメージである。
水が造形する自然は美しい。渓谷や滝、鍾乳洞などもそうだ。砂漠は風紋ぐらいしか美を見せてくれない、水は大事である。
龍門滝7
龍門滝8 龍門滝9 龍門滝10
滝より川下も水辺の公園である 温泉施設裏手の様子 回る冷やしそうめん、おいしそう

 関連リンク 姶良市ホームページ  
   

地図はこちらから⇒  Mapfan地図へ がおおよその位置になります。
お買物厳選リンク あじこじTOPへ 県TOPへ
K-00134-K0009
九州の情報はここでチェック!   あじこじ九州TOPへ