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 柳坂曽根【やなぎさかそね】の櫨並木(福岡県久留米市)    site up 2007/11/26
柳坂曽根の櫨並木1
晩秋、燃えるような真っ赤な紅葉で目を引く櫨【はぜ】の木。そう、櫨は燃えるのである。
???、の方も少なからずいるのではと思う次第だが、簡単に言えば櫨の実はロウソクの原料になるのだ。

江戸時代、灯明用の蝋【ろう】は東北産の漆櫨に依存しており九州では入手が困難だった。そこで、九州の各藩は競って櫨の栽培に力を注ぎやがてはいたるところに櫨林ができたのだという。

ガス灯や電気灯が明治初期に灯りはじめ、戦後の昭和初期のエネルギー革命以降は木蝋の需要も激減し、櫨林は姿を消していった。
柳坂曽根の櫨並木2 柳坂曽根の櫨並木3 柳坂曽根の櫨並木4
燃えるような真っ赤な紅葉の櫨 実はロウソクの原料なのです 風情のある紅葉の櫨小道
柳坂曽根の櫨並木は、享保15年(1730年)頃から久留米藩が藩財政を潤す特産物として奨励し植樹されたのが残存している希少なもので、 およそ1Kmの道路脇に立つ約200本の櫨の老木は
11月下旬になると見事な紅葉で訪れた人々を楽しませてくれる。

県指定天然記念物(昭和39年5月指定)


今では筑後地方の秋の風物詩として広く知られるようになっており、紅葉の時期にあわせて「柳坂ハゼ祭り」が開催され週末には沿道に立並ぶ出店とともに多くの人で賑わいをみせている。
柳坂曽根の櫨並木5
柳坂曽根の櫨並木6 柳坂曽根の櫨並木7 柳坂曽根の櫨並木8
祭り期間中の週末には出店が並ぶ 耳納連山を背後に 見応えのある櫨並木の紅葉
柳坂曽根の櫨並木9 アクセスにはマイカーが便利(久留米ICから10分程)となるが、無料駐車場として開放されている久留米市自然休養村管理センターから歩くとJR久大本線の踏切から耳納連山を背景に右手にずらりと櫨並木が連なる。
整備された歩道を耳納山に向かって歩き進むと途中、県道151号線が横切るがさらに櫨の並木は細い道奥へと続いているのでひるむことなく進むべし。
こちらは古くからの佇まいを残す小道の両側に櫨並木が連なり、より昔のままであろう柳坂曽根、秋の風情を感じることができる。

【 撮影時期:2005/11/27 】


【 現地案内文 】

十八世紀前半から九州各地で栽培されるようになった櫨は、その実が木ロウの原料となり、この地方の特産物の一つでした。
久留米藩もこれを大いに奨励し、竹野郡亀王村(田主丸町)の庄屋竹下武兵衛【ぶへえ】が、享保【きょうほう】十五年(1730)頃に、藩内で初めて植栽し、寛保【かんぽう】二年(1742)には国分村(国分町)や西久留米村(西町)鞍打【くらうち】に植えられました。
その後、「松山櫨」や「伊吉【いき】櫨」といった改良種が、筑後一円に広まり、櫨は米に次ぐ主要産物として、藩の財政を潤すようになりました。
柳坂曽根の櫨並木は、この時代の名残りで、秋になると紅葉が美しく、平成六年に新・街路樹百選に選ばれています。

 関連リンク 久留米観光ホームページ  
   

地図はこちらから⇒  Mapfan地図へ がおおよその位置になります。
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