ちなみにゼツェシオンについて補足すると、ゼツェシオンとはセセッション(分離派)という意味で、1897年にオーストリア首都ウィーンでオットー・ワグナーを中心とする若い芸術家たちにより始まった活動であり、その後オーストリアからドイツに広がっていった芸術革新運動。芸術に疎い【うとい】私であり詳しいことは分からないが、簡単に言えば過去の建築様式から分離して、新しい建築様式を創造しようといった活動であるらしい。その影響を受けたとされるこの建物ではあるが、今となってはレトロな建物と称されるところ、嗜好性は絶えず進化していることの現れであろうか。
この建物の現役当時、大阪商船の大陸航路の待合室として利用され多くの旅人で賑わっていたという。1階に待合室、税関の派出所が用意され、2階に事務所が置かれていたようで、その頃でもなかなか洒落たターミナルセンターであったに違いない。
それに、屋根の八角形の塔屋は飾りではなく、明かりが灯され灯台の役割も担っていたというから機能美でもある。
現在は1階に多目的利用施設として無料開放される海峡ロマンホール、2階は大阪商船にちなんでだろうか海、港、船をテーマとした海事資料室、それとわたせせいぞうの海ギャラリーがある。
|
|
|